第62回卒業式

厳粛な中にも大きな感動があふれる卒業式でした。

 

  「式辞」

 

 寒かった冬が終わりを告げ,復興祈念として植樹された桜もようやくその蕾をつけて,自分が咲く出番を待っているかのようです。そして今日は皆さんの旅立ちにふさわしく,春の空が美しく晴れ渡っています。

 125名の卒業生の皆さん,卒業おめでとう。今,一人一人に卒業証書をわたしました。卒業証書を受け取る皆さんの表情からは,緊張とともに未来に進む「決意」を感じました。この卒業証書は,中学校の教育課程を全て修了し,義務教育を終えた『証』になります。自信を持って新たな一歩を踏み出してください。

 本日の卒業式は,新型コロナウイルス感染症対策のため,制限された中での開催となりましたが,東松島市長熱海巌様,本校父母教師会長青山美恵様をはじめ,ご来賓の皆様に見守っていただきながら何とか無事に行うことができますことに心から感謝申し上げます。

 

 さて,卒業生の皆さん,いつもそうやって私の話を真剣に聴き,正面から思いを受け止め,考えを行動に表してくれましたね。ありがとう。その姿に日々感心し,感動していました。私は,皆さんのその真っ直ぐな瞳が大好きでした。今年は,コロナが猛威を振るい,大変な1年でしたが,そんな皆さんの姿を見ると気持ちが奮い立ち,「命と学びを守るのだ」という揺るぎない決心をすることができました。

 

 しかし,皆さんがこの先歩む人生は,そんな予想も付かないことがある中で,たくましく,そして柔軟に生きていかなければならない時代なのだと思います。情報にあふれ,迷うこともあるでしょう。そんな時,この言葉を思い出してください。「目に見えないものの中に大切なものがある」。大切なものを見失わず,人生を生きてほしい。私たちは,東日本大震災で辛い経験をしました。しかし,人と人とのつながりの大切さと人の心のあたたかさ,また,人間の素晴らしさを身をもって知りました。そして,今度は,新型コロナ感染症が立ちはだかる中,目に見えないものへの恐怖と不安に,正しく恐れながらも互いに信じ合い,人としてどうあるべきかをまさに今考えているところです。「目に見えない大切なもの」とは,「思いやり」と置き換えられるのではないかと思います。人を思いやることや真の優しさこそ,人としての本当の強さであり,尊いことであると私は思います。優しい皆さんだからこそ,それをこれからも大切に胸を張って生きてほしい。そう願っています。

 

 保護者の皆様,お子様のご卒業,誠におめでとうございます。この15年間の皆様のさまざまな思いを考えますと,言葉になりません。お子様を産み,守り,これまで育ててこられたそのご努力,ご苦労に頭が下がるばかりです。皆様の大切なお子様を本校にあずけ,我々に任せていただいたことに改めて感謝いたします。いつもどんな時も学校の方針を理解し,支え,協力してくださり,ありがとうございました。心から感謝申し上げます。

 

 “瞳輝く15の春を笑顔で”迎えた卒業生の皆さん,

 これからも「一に命」「二に生き方」です。

 命を大切に,そして,生き方を大切に,人生を歩んでください。

 

 結びに,卒業生の皆さんの限りない躍進とご臨席の皆様のご多幸を心からお祈り申し上げ式辞といたします。

 

                    令和3年3月7日

東松島市立矢本第二中学校 校長 松﨑和佳子

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「卒業生の皆さん,ご卒業おめでとうございます」

 【 3学年のメンバーです 】

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 「一に命 二に生き方」